Written by stigmaps-official

事故物件はお祓いすれば大丈夫?場合によるよ

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  • 3週間 ago
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「事故物件って、やっぱりお祓いすれば大丈夫なんですか?」
これは、誰しも一度は気になったことがある疑問ではないでしょうか。

過去に人が亡くなった部屋、いわくつきの物件…そう聞くだけで、なんとなく背筋がゾッとする感じ、ありますよね。最近では、ネットで「事故物件」がリスト化されていたり、動画で突撃レビューがあったりと、話題には事欠きません。でも、実際に自分がそこに住むとなると話は別。見えない“何か”が気になって、不安で眠れなくなりそう…。

そんなとき、よく出てくるのが「お祓いすれば大丈夫でしょ?」という発想。確かに、お祓いという行為には“安心”を与えてくれる力があります。でも、それって本当に根本的な解決になっているんでしょうか?

この記事では、「事故物件 お祓いすれば大丈夫」という問いに対して、「場合による」という立場から、仏教の視点、風水の考え方、さらには集合無意識といった心理的要素まで、多角的に掘り下げていきます。見えないものに不安を抱くのではなく、ちょっと視点を変えて“本当に大事なこと”を見つめてみませんか?

お祓いすれば大丈夫な事故物件とそうでないパターン

風水的に場所が悪いケース

「事故物件って、お祓いすれば大丈夫なの?」というテーマについて考えるとき、どうしてもスピリチュアルな話に偏りがちなんですが、実はもう少し現実的というか、環境的な視点から見ることも大切です。たとえば、“風水的に場所が悪い”というケース。これ、意外と見過ごされがちだけど、かなり重要なんですよね。

風水と聞くと、「なんか怪しい」「占いっぽい」と感じる方もいるかもしれません。でも実際のところ、風水は“気の流れ”をベースにした空間環境学とも言われていて、自然環境や建物の配置、人の心身への影響などを、長年の観察と経験則から体系化したものです。科学とはちょっと違うけど、統計と経験による“環境の因果関係の知恵”と捉えると、スッと理解できることも多いんですよ。

たとえば、日照時間が極端に短い地域に住んでいると、気分が落ち込みやすくなったり、冬季うつのような症状が出やすいって話、聞いたことありますよね。これは単なる気分の問題ではなく、環境が心身に与える影響の一例です。風水もある意味でこれに近い考え方をしていて、日当たり、風通し、水の流れ、地形、周辺環境…そういった要素が人の「運気」や「気分」、果ては「出来事」にまで影響すると考えるわけです。

で、ここで「事故物件」の話に戻るのですが、もしその物件が風水的に見てあまり良くない場所に建っているとしたらどうでしょう?たとえば、裏が崖だったり、極端に日が当たらない場所だったり、前に大きな高速道路が通っていたり、周囲が寂れていたり…。そういう“気の流れが滞るような環境”って、人のエネルギーも停滞しやすくなるんですよね。結果として、体調が悪くなったり、気分が重くなったり、なんとなく「運が下がってる気がする」と感じることが増えてくる。

そうなると、たとえどんなに丁寧にお祓いをしても、その“場所そのものが持つ影響力”には抗えないケースもあるわけです。これって、たとえるなら「津波に向かってバケツで水をかける」ようなもの。お祓いは精神的なお守りやきっかけとしてはとても効果があると思います。でも、その場所自体が長年かけて溜め込んだ“悪い空気”や“滞り”を根本から改善するのは、正直かなり難しい。

集合無意識がその場所の運気を下げているケース

「事故物件はお祓いすれば大丈夫?」という問いに対して、「いや、たぶん無理なケースもあるよね」と言いたくなるときがあります。その中でもちょっと厄介なのが、“集合無意識”が関係しているケースです。なんだか心理学っぽい言葉ですが、これ、スピリチュアルやオカルトと違って、わりとリアルに私たちの日常に根づいてるんです。

そもそも、幽霊や霊的存在というのは、科学的には一度も存在が証明されたことがありません。心霊写真だって、スマホやデジカメの精度が上がってからというもの、昔みたいな“ガチで怖い一枚”ってめっきり減りましたよね。それなのに、「この部屋なんか嫌な感じする…」とか「どうしても気持ちが落ち着かない…」っていう場所は確かに存在する。これは一体なぜなんでしょう?

その答えの一つが、“集合無意識”という概念にあります。これは心理学者ユングが提唱した考えで、簡単に言えば「人々の心が無意識のうちに影響し合って、ある“空気”や“雰囲気”を作り出す」っていう現象です。たとえば、ある学校のクラスで一人の生徒が何となく嫌われていて、理由は特にないけどみんながその子を避ける…みたいな状況。これ、まさに集合無意識の作用です。

事故物件の場合も、似たようなことが起きる可能性があります。「ここで人が亡くなったらしい」といった情報が広まれば、その場に関わる人々が無意識のうちに“ここはヤバい場所だ”という印象を持ち、それがやがて“場の空気”として定着していく。すると、新しく住んだ人もなんとなく不安になったり、運気が下がったように感じたりしてしまうんです。これって、もういわば“土地に染みついたネガティブな記憶”みたいなもの。お祓いで霊的なものを払ったとしても、その記憶や空気感が消えるわけではありません。

しかも、人間って本当に周囲の空気に流されやすい生き物です。多くの人が「自分の判断」で生きていると思っていても、実際は他人の意見や世間の目を無意識に気にしていたりする。そんな人たちが「ここ事故物件なんでしょ?やっぱちょっと気持ち悪いよね」なんて話しながらそこに集まってきたら…もう場の雰囲気として完全に“負”が固定化されていく。

つまり、「事故物件はお祓いすれば大丈夫?」という問いに対して、集合無意識が関わっているようなケースでは、「いや、それだけじゃ足りないかも」と答えるしかありません。お祓いという行為は、あくまでその人個人の心を落ち着けるには効果があるかもしれないけれど、空間全体に染みついた“みんなの思い込み”まではなかなか消し去ることはできません。まるで、ネット上に一度出回った噂を消すのが難しいように、一度定着してしまった“負の空気”を払うのは、簡単なことじゃないんです。

そもそも釈迦的には事故物件の問題はあなたの心によって発生する

ちょっと皮肉な話から入りますが、最近は「事故物件のお祓い承ります」と掲げるお寺や僧侶も少なくありません。実際、お寺ってそういう“霊的な問題”をなんとかしてくれる場所って思われがちですよね。でもこれ、仏教の原点を知っている人からすると「え、マジで?それって釈迦の教えとだいぶズレてない?」ってなるんです。

仏教の始まりって、あくまでお釈迦さまの“超・理性的な目覚め”から始まったんですよ。お釈迦さまは、「この世の苦しみはどこから来るのか?」という問いを突き詰めて、外側の世界ではなく、自分自身の「心のあり方」にその根本原因があると見抜いた人なんです。だからこそ、霊だとか魂だとか、そういう“見えない何か”に振り回されるのはむしろ「迷い」=仏教用語で言う「無明(むみょう)」の象徴なんですよね。

それを考えると、「お祓いをして安心しましょう」「部屋に残った“気”を浄化します」といったサービスを仏教系のお寺が提供している現状は、ちょっとしたパラドックスです。もちろん、現代の日本仏教はいろんな文化的要素が混ざっていて、神道の影響なんかも入ってるので、完全にお釈迦さまの時代の原始仏教と同じとは言えません。でも、それにしても…「お釈迦さまが今の日本に来たら、どう思うだろう?」って、ちょっと想像してみたくなります。

たぶん彼はこう言うんじゃないでしょうか。「君たち、死んだ人の“気”が部屋に残ってるって?いやいや、それ全部“空(くう)”だから。五蘊(ごうん)は因縁の集合体で、そこに固定された“霊”なんてないんだけど」と。つまり、「自分の心が何かを怖いと感じているだけ」であって、そこに“何か”があると思ってしまうのは、完全に自分の内面の投影なんです。

これは別に、怖がる気持ちを否定したいわけじゃありません。人間は理屈じゃ片付けられない感情も抱える生き物だし、なんとなく「気持ち悪い」「イヤな感じがする」と思ってしまうのも自然なこと。でもそのときに、「じゃあお祓いすれば大丈夫か?」と、外側の“何か”に解決を委ねる前に、自分の中にある“恐れの正体”を見てみる、という視点を持ってみるのも大事なんじゃないかなって思います。

まとめ

「事故物件はお祓いすれば大丈夫?」という問いに、100%の正解はありません。でも、一つだけ確かなのは、“自分の心がどう感じるか”が、最終的には一番大きな影響を与えるということです。

仏教の視点から見れば、怖れや不安は「心の迷い」から生まれるもの。風水の観点では、物件そのものがもつ「場所の力」が運気を左右することもあります。そして、人の思いが重なって場の雰囲気を作る“集合無意識”の影響は、目に見えなくても確実に存在している。

つまり、お祓いはあくまで「きっかけ」にすぎないんです。それで気持ちが前向きになって、生活を整えることができるなら、それはとても素晴らしいこと。でも、環境の影響や人の無意識が作る空気は、お祓いだけでは拭いきれないことも多いのが現実です。

もし今、事故物件に関わる状況にあるなら――ぜひ、自分の心と環境の両方に目を向けてみてください。本当の意味で“安心して暮らせる場所”は、外側から与えられるものではなく、自分の内側から築いていくものかもしれません。

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