事件の概要
2004年11月18日、大阪府茨木市で乗用車が暴走し、通行人5名を次々にはね、民家の生垣に衝突して停止した。運転していたのは韓国籍の新聞販売店従業員の男性で、事故後に重傷を負った。事件現場は狭い道路で、車は約500mにわたり蛇行運転しながら自転車を追いかけ回す形となった。被害者5名のうち2名が死亡し、3名が重軽傷を負った。事件当時、運転手は全裸であり、統合失調症のため精神科に通院していた。
捜査と裁判の経過
警察は当初、業務上過失致死と道交法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕したが、その後、容疑者が「人を殺そうと思った」「悪魔に命令された」と供述したため、殺人・殺人未遂容疑で送検。2005年3月31日、大阪地検は精神鑑定の結果、刑事責任能力があると判断し、殺人罪で起訴した。
裁判と判決
2007年2月28日、大阪地裁は「被告は幻聴に支配され、心神喪失状態だった」として無罪判決を言い渡した。検察側はこれを不服として控訴したが、2008年6月24日、大阪高裁も「心神喪失の疑いが残る」として無罪判決を支持。検察は上告せず、無罪が確定した。その後、大阪地検は被告の処遇を決めるため、心神喪失者等医療観察法に基づく審判を申し立てた。
事件の影響と報道
事件の報道では、朝日新聞が容疑者の氏名を通名で報じた一方、河北新報などは韓国名を使用するなど、メディアによって対応が分かれた。また、事件直後、読売新聞系のメディアは容疑者を「産経新聞販売店店員」と報道し、産経新聞も事件を取り上げた。
関連物件はありません
リセット© All rights reserved.