下関通り魔殺人事件は、1999年9月29日に山口県下関市のJR下関駅で発生した無差別殺傷事件です。犯人の男性はレンタカーで駅構内に突入し、歩行者をはねた後、包丁で通行人を次々と襲撃しました。この事件により、5人が死亡し、10人が重軽傷を負いました。
事件の詳細
1999年9月29日午後4時25分頃、35歳の男性がレンタカーを運転し、JR下関駅東口のガラスドアを突き破って駅構内に侵入しました。車は構内を約60メートル暴走し、7人をはねました。その後、男性は車から降り、持っていた包丁で駅構内やホームにいた人々を無差別に切りつけました。この一連の行動で、5人が死亡し、10人が負傷しました。
犯人の背景と動機
犯人は九州大学工学部を卒業後、設計事務所などで働いていましたが、対人関係の問題から退職を繰り返していました。1993年に自身の設計事務所を立ち上げましたが経営に行き詰まり、1998年に廃業しました。その後、運送業を始めましたが、1999年6月に妻から離婚を切り出され、9月には台風で車両が使用不能になるなど、生活が困窮していました。これらの状況から、「何をやってもうまくいかない」という思いを募らせ、社会に対する憎悪を抱くようになったとされています。
裁判と判決
逮捕後、犯人は殺人や殺人未遂などの罪で起訴されました。裁判では、刑事責任能力が争点となりましたが、最終的に完全責任能力が認められ、2002年9月20日に山口地方裁判所下関支部で死刑判決が言い渡されました。その後、控訴と上告が棄却され、2008年7月11日に死刑が確定しました。2012年3月29日、刑が執行されました。
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