全日空61便ハイジャック事件は、1999年7月23日に発生した、日本の航空史上特筆すべき事件です。この日、東京国際空港(羽田空港)から新千歳空港へ向かう全日空61便(ボーイング747-481D、機体記号:JA8966)が、離陸直後に刃物を持った28歳の男性にハイジャックされました。犯人は客室乗務員を脅してコックピットに侵入し、副操縦士を追い出した後、機長を刺殺して自ら操縦を試みました。
機体は一時高度約300メートルまで降下し、住宅地への墜落の危機に直面しましたが、乗り合わせていた非番の機長や副操縦士、乗客らが協力して犯人を取り押さえ、機体の操縦を取り戻しました。その後、羽田空港に緊急着陸し、犯人は逮捕されました。この事件は、日本におけるハイジャック事件で初めて人質に死者が出たケースとなり、航空保安体制の見直しが進められる契機となりました。
事件後、犯人は殺人およびハイジャック防止法違反などの罪で起訴され、2005年に無期懲役の判決が確定しています。
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